あらすじ
結城真白、26歳。営業職。
篠宮千尋、31歳。小説を書いている人。
付き合ってはいない。
告白もしていない。
それでも二人は、同じ部屋で朝を迎える。
仕事の都合で泊まるようになり、
気づけば帰らない日が増えて、
いつの間にか「半同居」になっていた。
特別な約束はない。
関係の名前も決めていない。
それなのに、いちばん近くにいるのは、いつも彼女だった。
千尋が書いている小説のことを、真白はよく知らない。
ジャンルも、内容も、詳しくは聞かない。
ただ、夜遅くまで灯る部屋の明かりと、
静かなキーボードの音を、隣で聞いている。
これは、
恋人になるまでの物語ではない。
一緒に暮らす理由が、少しずつ増えていく話。
名前をつけない関係のまま、
それでも離れられなくなっていく二人の日常。