あらすじ
いまから百三十七年前、『異界融合』により二つの世界が混ざり合った。
空にはドラゴンが翼を広げ、海にはクラーケンが触手をうねらせた。ユニコーンが街路を駆け抜け、ゴブリンが路地裏から這い出した。見たこともない獣が咆哮を上げ、名も知らぬ魔物が人々を襲った。
街中に現れた『迷宮(ダンジョン)』からは、絶え間なくモンスターが溢れ出した。
その混沌とした時代に立ち上がった七人の英雄が争いを終わらせ、人類は魔力という新たな力を手にした。
それから百年――魔法が日常となった現代。
明里誘凪(あかりいざなぎ)は、魔力を持たない少年だった。
魔術師の名門・明里家に引き取られながらも、力なき自分に絶望する。魔術テロが横行する街で、彼はただ無力に立ち尽くすしかなかった。
そんなある日、誘凪は都市伝説を耳にする。
「出会えば、どんな願いも叶えてくれる『銀翼の聖女』がいる」
そして運命の悪戯か、彼はその存在と遭遇する。
誘凪が手にしたのは、死しても蘇る『不死者』としての力。だが不死者には、恐るべき代償が待っていた――。
一般人には見えず、触れることができない『霊獣』。
街の影で暗躍する連続殺人鬼。
そして、あらゆる願いを叶える『銀翼の聖女』。
魔法によって統治された世界で、魔法が使えない少年は英雄の道を歩みだす。