あらすじ
目が覚めたら知らない家のベットの上だった。天井からドライフラワーや薬草が吊されて,周りを見れば大きな壺やローブ,そして箒がある。取れ合えず体を起こす。
「セレーナ,やっと起きたの?全く,今日は町まで薬草を売りに行かないといけないから早く着替えてよね。」
床の方から声が聞こえた。下を見れば頭に三角巾をつけたネズミが一匹。今喋ったのは君だよね?えーっと…名前はチャーリーだ。
「ヴッ…」
早送りの映像を見ているかのように私視点のこの世界の記憶が蘇る。
そう,私は魔法使いの見習いである。14歳になったら立派な魔法使いとして生計を立てていくために一人暮らしを強いられ,ちょうど今日で一人暮らし歴2年の節目。2年経てば見習いも卒業し,一人前の魔法使いになる習わし。私の家系は代々誰かのフェアリーゴットマザーになるのだそうだ。そろそろ私が誰のフェアリーゴットマザーになるのか指令書が来てもいいところなんだけど…
「ちょっと,大丈夫?セレーナ。」
チャーリーが眉を八の字にする。
「うん。急いで身支度しなくちゃ」
ほんの数分前が嘘かのように今は頭も明瞭,この世界の知識も常識も身についている。記念すべき魔法使い1日目。私にとってはこの世界にやって来て1日目。期待と少しの緊張を胸に抱えて魔法使いライフを満喫しよう!