あらすじ
「魔王軍が世界を脅かしている」
それは、人類が捏造した歴史だ。
魔王軍司令部の参謀長ルクシオン(元人間)は、冷徹な目で戦況を見つめていた。
攻めてきたのは人類軍だ。
「防衛」という名目で国境を越え、村を焼き、略奪を行う聖騎士たち。
そして、彼らが投入した最終兵器――「勇者」と呼ばれる、思考を奪われた少年。
対話は通じない。
外交も存在しない。
ならば、やることは一つだ。
「総員、迎撃せよ。ただし目的は殲滅ではない。民の避難と、生存圏の死守だ」
これは、派手な魔法や剣技で無双する物語ではない。
情報操作、遅滞戦術、そして「負けたふり」をしてでも民を守り抜いた、魔王軍の誇り高き「敗戦」の記録である。
歴史書は嘘をつく。
だが、守られた命は嘘をつかない。