あらすじ
剣と魔法が支配する戦場。
そこには一人の英雄がいた。
黄金の獅子ガランド。
単騎で敵陣を粉砕する彼の武勇に、味方は熱狂し、敵は恐れおののく。
だが、誰も知らない。
ガランドが暴れ回れるのは、ある一人の男が「首輪」を握っているからだということを。
男の名は、軍の兵站(へいたん)を管理する輸送部隊長。
彼は冷徹な計算機だ。
英雄ガランドすらも「派手な囮」として利用し、敵の目を引きつけている間に、補給線を操作する。
わざと質の悪い食料を奪わせ、敵兵の体を重くする。
脆い武器を掴ませ、ここぞという場面で自壊させる。
これは、剣も魔法も使わず、ただ「帳簿」と「物理法則」だけで敵軍を完全敗北へと追い込んだ、名もなき兵站屋の記録である。
「戦争を決めるのは英雄ではない。カロリーと数字だ」