あらすじ
正月の朝、主人公は「寝正月は禁止」という一言で叩き起こされる。
相手は目覚まし時計ではなく、善意に満ちた人間たちだ。
初日の出、書き初め、買い物、目標設定。
「正月から動けば一年が変わる」という正論が、次々に差し出される。
それは前向きで、正しくて、誰も悪くない。
だからこそ主人公は、何も言えないまま流されていく。
一日中「有意義」を求められながら過ごすうちに、
主人公は奇妙な感覚を覚え始める。
これだけ動いているのに、なぜか何も始まっていない――。
これは、静かに一年を迎えるための物語。