あらすじ
結婚相談所の敏腕コンシェルジュ・佐伯凛は、かつて読んだ純愛小説『秒速の両片想い』に憧れ、そして現実の残酷さに裏切られた過去を持つ。「愛に価値はない、あるのは条件だけ」と心を凍らせた彼女の前に現れたのは、泥だらけでバスに置いて行かれた不格好な男・藤堂圭だった。
実は、彼こそが凛の人生を狂わせた小説の作者『柊京』本人。 自らが作り上げた「理想の恋」という嘘に苦しみ、書けなくなった作家と、その嘘を憎みながらも、誰より彼の描く世界を愛してしまったコンシェルジュ。
完璧なスペックのヒロイン、元カレの呪縛、そして突然の別れ。 雨のバスターミナルで、十年前の「偽りのハッピーエンド」は、泥まみれの「不格好な真実」へと書き換えられる。 ショパンの調べが、凍りついた二人の明日を溶かしていく、至高の大人のラブストーリー。