あらすじ
秀秋は大学生になった。新しい生活を始めようとするけれど、特段パッとしない男子の秀秋は高校の頃から続けているVRにどっぷりつかったままだ。
ところがある日中学校からの友人である竹内雄貴がやってきて言った。一つは、秀秋が変わらなければいけないこと。そしてもう一つは、再び癌を発症して、これからたたかわなければいけないこと。
戸惑う秀秋をよそに、竹内は高校生のころ友人らで開いた読書会のことを語る。秀秋は夏目漱石の「こころ」に出てくる先生に怒った。でも、今の秀秋はむしろ、先生と同じ間違いを犯している──。
その日を境に秀秋は悩み始める。自分の過去を思い出す生活の中で出会う新しい友人たち。
大学のサークルで出会う櫻子、哲学青年の海人。人当たりの良くない都田教授、VRで出会った親友ヘイや、自分と同じく、現実に何かを抱えているらしいメロ。
出会う人それぞれにぶつかり合いながら、悩み、自分の殻を壊そうとする秀秋の、短くて長い旅。