あらすじ
突如、明日希(あずき)の眼前に広がったのは、盂蘭盆会の人込みだった。
「修学旅行帰りのバスに揺られていたはずなのに……」
そこは彼女が通い慣れた、身代寺(しんだいじ)の参道。
だが、それは現世ならざる場所だった。
それを彼女に諭したのは、なぜか居合わせた当寺の老僧「最丁(さいてい)」で―――。
明日希の幼少時からの顔見知りであるこの僧、その名の通り、仏門に身を置く者にはあるまじきサイテイな言動をはばからない。それゆえ、これのいうことなど、明日希は端から信じはしない。―――が、今日に限っては、その言葉を受け入れざるを得なかった。
なぜなら―――あの“記憶”があったから。
身にふりかかった奇禍に、心情の整理がつかないままの明日希。
そんな彼女の前へ、クラスメイトで親友の「杏(あん)」、また、やはり級友で幼馴染の「透(とおる)」もが次々と現れ―――。
そして、女性教師の「葛切(くずきり)」までがそろったとき、一同は最丁から驚愕の事実を聞かされる。
はたして明日希、そして彼、彼女らは、予期もせず置かれたこの現状から、脱することができるのか―――。