あらすじ
音が止まった。
色は増えた。
戦場が突然、彩りの草原に変わる。
異世界へ投げ出され、装備も帰還方法を失ったクシード・シュラクスは猫耳の女性と出会った。彼女は極度の人見知り。
スケッチブックで思いを伝えている。
『故郷に帰りたい』
異郷の文字は読めないが、その気持ちは伝わった。
彼女の故郷は“聖騎士団ロクエティア”の侵攻で焼かれ、両親は消息不明。唯一の家族の元へ帰るには、“モノノケ”が蔓延り、“ロクエティア”が阻む道を進まなければならない。
それはもはや狂気の沙汰。
しかし、彼女の不器用な献身さにクシードは、次第に心変わりをする。
銃の腕と22世紀の科学文明の知識が、どこまで通用するか分からない。
これは受けた恩への贖罪ではなく、運命だ。
帰る世界を失った者と、帰る場所を奪われた者。
銃とスケッチブックが導く、世界一危険な帰郷の旅が始まる――。