あらすじ
帝国情報部に所属する青年リオンは、オメガでありながら類稀なる情報処理能力を持つ、隠れた逸材だ。しかし、直属の上司であるアルファ、ミカエル部長の執拗なまでの冷たい仕打ちに、その心はガラスのように脆く、いつ砕け散ってもおかしくはなかった。
「オメガは感情的で、重要な任務には不向きだ」
ミカエルの言葉は、リオンの誇りと心を、じわじわと蝕んでいく。
だが、帝国の中枢を揺るがすテロ事件が、二人の関係を一変させることとなる。
絶体絶命の窮地に陥ったリオンを、その身を挺して庇ったのは、彼を誰よりも蔑んでいたはずのミカエルだった。
「すまない、もう二度と君を危険な目には遭わせない」
翌日から、ミカエルはまるで別人のようにリオンを甘やかし、過保護なまでに守り始める。
氷の仮面の下に隠されていたのは、運命の番に対する、理性を焼き切るほどの独占欲と、狂おしいまでの愛情だったのだ。
なぜ彼は、リオンを遠ざけていたのか?
帝国の深き闇でうごめく陰謀とは?
そして、ミカエルが隠し続ける衝撃の秘密とは――?
これは、孤独なアルファと心優しきオメガが、偽りと絶望の中から唯一無二の真実の愛を見つけ出す、ドラマチック・ラブストーリーだ。
【登場人物紹介】
◆リオン
オメガ。帝国情報部に所属する青年。控えめで心優しい性格だが、一度見聞きした情報を完璧に記憶し、処理する類稀なる能力を持つ。上司であるミカエルからの冷遇に、心を痛めている。
◆ミカエル
アルファ。帝国情報部の部長。冷静沈着で、部下には常に厳格な態度を崩さない。特にリオンに対して当たりが強く、「鋼鉄の部長」と恐れられているが、その裏には、ある重大な秘密を隠している。
◆フィン
ベータ。リオンの同僚で、唯一の親友。情報分析官を務める。温厚な性格で、ミカエルに虐げられるリオンを常に心配している。リオンの良き理解者であり、後にミカエルとリオンの協力者となる。