あらすじ
夜明 一星。
少年は何も持たない人間だった。
外見は醜く、運動も出来ない。
勉強も、特別優秀なわけでない。
唯一の美点があるとすれば、それは努力の出来る人間であること。
血の滲むような努力の末、一星は名門の私立高校に合格。
華やかな学園生活が待っているはずだった。
だが実際に待っていたのは、地獄のような日常であった。
成績、実績、結果。
そこで評価されるのは、ただそれだけ。
教師は優秀で、制度は整っていて、外から見れば何一つ問題のない学校に見える。
だが、結果を出せない者には、居場所がない。
一星は、何も持たなかった。
才能も、力も、誇れる成果も。
唯一の努力も、大きな才能の前には容易く埋もれてしまう。
その立場は次第に固定され、嘲笑と暴力は日常となり、反抗する余地すら奪われていく。
実力主義のこの学校では、弱者は淘汰されるより他無い。
両親も、教師も、誰も彼もが一星を見放した。
理不尽な運命に疲れてしまった一星が選んだのは、全てを終わらせること。
終わらせる為に、一星はダンジョンへと足を運ぶ。
そこで彼が踏み込んだのは、本来、誰も辿り着くはずのない“空白”だった。
誰も知らないその場所から、一星の人生は穏やかに、しかし激しく動き出していく。