あらすじ
風が常に吹き続ける国
風嶺国《エル・サレイン》
この国では風を司る神と、その声を神に捧げる巫女、神凪(かんなぎ)の存在が国の安定を支えていた。
神凪リュシアは願いを口にせず声を持たない少女だった。
祈りの場に立ちながらも彼女は神に何かを求めることをしない。
ある日、彼女は“風”そのもののような存在
風神ヴァル・シェアリスと出会う。
自由で、軽やかで
それでいてどこか孤独な神。
語られない言葉。
交わされない願い。
それでも確かに重なっていく人と神の時間。
しかし国は神凪に「役目」を求め
神には「神であること」を求め続ける。
沈黙とは、守ることなのか。
対話とは、縛ることなのか。
そして――
神と人が共に在るために、
本当に必要なものとは何か。
これは、声を失った少女と自由を失った神が出会い
風の行方を選び取る物語。