あらすじ
Dランク冒険者、シモン・マックイーン。
二十七歳のアラサーでありながら、地味に稼ぎ、地味に暮らす――そんな男だった。
ある日、ギルドマスターのダンカンから
「貴族令嬢の冒険者指導を引き受けてほしい」
という、面倒ごとの匂いしかしない依頼が舞い込む。
貴族相手は気が進まない。それでも、ダンカンの面子を立てるために渋々受諾したシモンは、
アーデルシア家の少女――ジュリアと対面する。
天才であり、問題児でもある彼女は、
初対面でシモンが“Dランク”だと知るや否や、あからさまに失望した。
その態度に苦笑しつつも、シモンはほんの“実力の一端”を見せつけ、わずかながら信頼を得る。
こうして奇妙な師弟関係が始まった。
訓練を通し、反発しながらも深まっていく信頼。
少しずつ変わりゆくジュリアと、それを静かに見守るシモン。
順調に見えた日々――だが、その裏側では、少女を狙う陰謀が静かに蠢いていた。
謎の集団の影、伸びゆく才能、迫る危機。
焦るシモン、耐えるジュリア。
そして彼女たちの運命は、忍びの少女との出会いで大きく動き始める。
守りたいものを守るため、シモンは今日も剣を握り、走り続ける。
これは、アラサー冒険者が歩む
“当てのない困難な道のり(aimless odyssey)” の物語。