あらすじ

勇者一行が魔王城へ向かってから、数日が経った。 討伐成功の報せも、敗走の報せも届かない。 不審に思った王国は、調査のために小規模な部隊を城へ向かわせた。 本官――兵士リベルは、その先遣調査隊の隊長だった。 魔王城は、静かすぎるほど静かだった。 戦闘の痕跡はある。だが、肝心の魔王の姿はない。 そして何より、勇者レナトス一行がどこにもいなかった。 魔王の間で、本官は一冊の手記を見つけた。 瓦礫に半ば埋もれ、奇妙な魔力を帯びたそれは、錬金術師クルダスと名乗る男の記録だった。 当該手記は、文字情報に加え、魔力によって当時の光景を記録・再生する性質を有していた。 ページを開くたび、勇者一行の旅路が幻像として立ち上がる。 彼らが何を見て、何を信じ、どこから歯車を狂わせていったのか―― その過程が、克明に記されている。 そして、最後のページに辿り着いたとき、本官はその意味を理解した。 「――魔王とは、勇者である」

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カクヨム
カクヨム2026/01/01
  • 現在の作品魔王とは勇者である -賢者の石に取り憑かれた錬金術師-