あらすじ
魔法が希少な世界。
生後数ヶ月で修道院の前に置かれていたジーンは、ジーンが魔法が使えると思い込んだ修道女見習いに攫われ、売られてしまう。
ジーンが売られた孤児院は、魔法の素質のある幼子を攫ってきて、スキル授与の儀で魔法スキルが発現した幼子を高値で売りさばいている犯罪組織の拠点の一つだった。
スキル授与の儀で水晶に映し出されたジーンのスキルは【てのひらまほう】だった。
‟まほう”と名の付くスキルだったことに歓喜した孤児院の院長だったが、いざ魔法を使わせてみると、てのひらの上に小石や泥、枯れた草や埃しか生成できない魔法だった。
孤児院の院長はジーンがたいした金にならないとがっかりしたが、「魔法が使える見目の良い幼児」として売りに出せば、‟嘘はついていない”し、魔法が使えない見目の良い幼児よりは高く売れるだろうと思い直して、少しでも高値で売るために、ジーンをオークションにかけることにした。
自分が売られることを知ったジーンが、逃げ出す機会を探り続けていたことを知らずに。