あらすじ
東京の片隅に残された、ちょっと古い団地。
その名前は――ワンダー団地。
仕事に疲れ、人生の未来を閉じた38歳・今井タツミは、実家の団地へ戻ってきた。
しかしその夜、天井裏から響いた謎の「コンコン」という音が、平凡な日常を静かに揺らしはじめる。
隣室の住人は「未来から来た」と語る謎の女性ミオ。
夜になるとベランダ同士が別の時間とつながり、屋上では名前を忘れた放送主のラジオが流れ、階段室には青い影の子どもが歩いている――。
団地に潜む小さな魔法と、選ばれなかった未来たち。
そしてタツミは知る。
その影の子は、自分とミオが選ばなかった未来に生まれるはずだったユウキだということを。
「未来を選ぶ」とは何か。
誰かと生きるとはどういうことか。
笑って泣けて、読み終わったあと胸があたたかくなる、
都会メルヘン×大人の成長物語。
未来は、団地のベランダから始まる。