あらすじ
日雇いの清掃員として呼ばれた青年は、
名も知らぬ女性と共に、海沿いの廃墟を任される。
それは、かつて刑務所だったという建物だった。
作業中に見つけた一冊の手記。
そこに記されていたのは、
判断する権限を持たない「監視者」の記録と、
囚人たちが“溺死”していく不可解な出来事だった。
やがて建物に響き渡る、人ではない声。
床を満たす、海水。
彼は生きて外へ出た。
だが、共にいたはずの彼女は、
同じものを見てはいなかった。
事件性はないとして処理された廃墟の出来事。
残された手がかりは、
その建物に“存在しなかった刑務所”の記録だけだった。