あらすじ
王都の北側、石炭の煙に紛れる路地裏の雑貨店。
店主のリヒトは、圧倒的な教養と鑑定眼で、物に宿る「死んだはずの過去」を暴き出す。だがその正体は、政争に敗れ死んだことにされた第一王子だった。
彼を支えるのは、夜の街を騒がせる義賊の顔を持つ青年、カイト。
互いの正体を知り、幾多の陰謀を潜り抜けてきた二人は、ついに王国の根幹を揺るがす「巨大な嘘」へと辿り着く。
現国王が積み上げた偽りの繁栄と、民を裏切る密約。
かつての王子は、今、鑑定士として再び「始まりの天秤」を手に取る。 それは復讐のためではなく、この街に暮らす人々が、自分たちの足で「真実の明日」を歩むために。
嘘を盗む義賊を背に、真実を売る王子が腐敗した王宮に最後の審判を下す。