あらすじ
地方都市で暮らす主人公は、正社員になれないまま同じ業界を転々としてきた。
大きな失敗をした覚えはない。だが給料は上がらず、税金と保険料だけが年々重くなる。
ニュースでは景気回復、株価最高値が語られる。
それでも彼の生活は少しも楽にならない。
住宅ローンは通らず、親の介護の話が現実味を帯び、自分の老後と同じ時間軸で迫ってくる。
「努力が足りない」と言われるが、何をすればよかったのか、彼には分からない。
これは、自分の選択の結果なのか。
それとも、最初から用意されていた構造の中にいただけなのか。
主人公は、答えのない問いを抱えながら、
日常の中で少しずつその輪郭に触れていく。