あらすじ
最短・最適・正解――それが人を救うはずだった。
だが、効率という名の“正しさ”に街が呑まれはじめたとき、新宿は巨大な統合装置《東京バベル》へと変質する。システムの隙間(バグ)から滲み出した化け物――**混成怪異《シンクレティック・アノマリー》**が、都市の日常に紛れ込むようになった。
大学二年生・三笠陽菜が襲われたのは、配達員の姿をした怪異だった。
「宛先不明の“正解”が、お前を食いに来たんだ」
カフェ《ミツバチと塔》の店主・陸奥に助けられた夜、陽菜の中で“力”が芽吹く。
それは、外来語辞典に宿った矛盾を借りて現実を書き換える異能――
矛盾の借用語《デュエリング・シールド》。
送り主と宛先、加害と被害、正義と悪――矛盾を“盾”として成立させた瞬間、怪異は「正解で殴る」ことができなくなる。
一方、東京には混成怪異を“才能”として飼いならし、他人の時間を奪って金に換える者、異常な趣味を具現化して人を弄ぶ者がいる。
法もモラルも通らない、欲望の異能者たちの《奇妙な日常》。
正解に喰われる街で、陽菜はただ一つの武器――“矛盾”を掲げて踏み込んでいく。
それは、無機質な都市で「自分」を取り戻すための、血と異能の物語。