あらすじ
世界は、救えない。
それを知っているのは、勇者である彼ただ一人だった。
神に選ばれ、祝福を受け、
「世界を救う希望」として旅立つ勇者レイン。
だが彼は、魔王を倒しても、
戦争を止めても、
祈りが届いても、
この世界が必ず滅ぶことを知っている。
それでも彼は剣を取る。
勝てない戦いだと分かっていても、
意味が残らないと理解していても。
人は、結果が変わらないと知っていても、
誰かを助けることができるのか。
希望を信じる騎士。
仕組みとして勇者を扱う王女。
意味を与え続ける宗教。
終わりを担う魔王。
誰もが違う答えを抱えたまま、
それでも世界は、今日を生きている。
これは、
救えない世界で、それでも行動する理由を問う物語。
英雄譚でも、敗北譚でもない。
選択の物語だ。