あらすじ
王国リサイナールでは、前王ゼルファイアが暗殺されてからというもの、
貴族、商人ギルド、騎士団――いたるところで腐敗が表面化し始めていた。
そんな混沌の中、夜ごと現れる謎の怪盗がいる。
人の心に触れる不可思議な“手腕”を持ちながら、奪うのは金ではなく――真実と悪意。
その名は 怪盗セレナーデ。
盗む相手は、権力に溺れた貴族であったり、裏で汚れた取引をする商人であったり、
弱き者を踏みにじる者ばかり。
しかし、彼女の目的も正体も誰一人知らない。
ある夜、王直属騎士ロックとの思わぬ共闘を皮切りに、
彼女は王国の“闇の継ぎ目”に触れていく。
騎士団の腐敗。
商人ギルドの黒い帳簿。
禁じられた研究。
教会過激派の暴走。
そして、国内に潜む“外の国”の影――。
次々と姿を現す陰謀の断片は、やがて一つの線で繋がっていく。
「前王の暗殺は偶然ではない。
もっとずっと前から、この国は侵食されていた。」
怪盗である彼女は、誰も信じない。
けれど、必要なら誰とでも“取引”する。
利用されることも、裏切られることも知っている。
それでもなお、助けたい者がいる。
気づけば王国中が彼女を追い、
敵か味方か分からぬ者たちが集まり――
怪盗セレナーデは国を揺るがす戦いの中心へと巻き込まれていく。
最後に盗むのは、権力か、野心か、それとも――心か。
王国の未来を左右する“最後の取引”が、静かに幕を上げる。