あらすじ
宮廷魔法使いラウルは、王都の防衛結界や水路の浄化といった「止まれば国が回らなくなる仕事」を、誰にも知られぬまま黙々とこなしてきた。
しかし派閥争いと人付き合いの悪さから、「優秀だが扱いづらい」という理由で辺境の寒村へと追い出されてしまう。
期待も歓迎もされないと思っていたその村で、ラウルを待っていたのは、深々と頭を下げる村人たちと、切実な感謝の言葉だった。
王都では当たり前だった魔法が、この村では人々の生活を大きく変えていく。
評価も点数も存在しない場所で、初めて「必要とされる」ことを知る無口な魔法使い。
これは、静かに追い出された男が、いつの間にか英雄として扱われていく物語である。