あらすじ
祈りは、救いだった。
けれど同時に、世界を壊した。
人々の願いが形を成した存在――「神」。
その神に選ばれ、王国に召喚された“聖女”は、
民の不安を鎮めるための象徴として祈りを受け続けていた。
一方で、聖女に見捨てられたとされる世界がある。
人界から切り離され、
憎しみと疲弊の中で生きる者たちの住む“異界”。
逃亡の末に異界へと足を踏み入れた主人公は、
白銀の狼・シルと共に、
祈りが生んだ救済と、祈りが生んだ憎悪の両方を知っていく。
「私は正しい」
そう信じる聖女。
「それでも、誰かの声を聞きたい」
そう願うもう一人の聖女。
これは、
信じることをやめなかった者と、
信じることに傷ついた者たちの物語。
祈りは、誰のためにあるのか。
聖女とは、何を救う存在なのか。
分断された世界の狭間で、
言葉と出会いが、静かに運命を変えていく――。