あらすじ
「どうじゃ、立派に実ったろう? お前さんが頑張ってくれたおかげじゃよ」
一面に広がる稲穂を眺めて、おじいさんは言った。
その腕に抱かれているのは、稲穂と同じ明るい茶色の猫。
収穫の時期を迎えた稲穂が、秋風にサワサワと揺れていた。
「ほれトラ、新米じゃよ。鰹節をタップリかけておいたぞ」
無事に米の収穫を終えると、おじいさんは猫にも白飯をふるまった。
ふんわりした鰹節に覆われた白飯は、ほんのり甘くて温かい。
トラと呼ばれる猫は、普段食べているキャットフードよりも、こちらの方が大好きだった。
農村の守り神として人々に愛された猫の物語。
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません