あらすじ
「1年以内に『天使の塔』へきて。――間に合わなければ、娘は死ぬよ」現れたのは、異世界に似つかわない謎の女子高生だった。
異世界転移して早20年。35歳になった俺は、世界を書き換える力《ヴォイド》を持つ危険因子として、辺境の島でひっそりと暮らしていた。解かれることのない封印指定の烙印。すべては、目に入れても痛くない愛娘・ルミナとの平穏な日々を守るため。
しかし、その静寂は円堂おわりにより唐突に破られる。
天使の塔――それは世界の中心にそびえ、神ごとき『天使』のみが存在を許される絶対禁域。
娘の命を握られた俺に選択の余地はない。封印していた力を抱えたまま、娘と共に島を出ることを決意する。
行く手を阻む凶悪な魔獣、陰謀渦巻く帝国、天使を崇める聖翼教会。
奴らはまだ知らない。穏やかな父親に見えるこの男が、かつて『天使』にすら恐れられ、封印された規格外の存在であることを。
「天使? ああ、何かすごいらしいですね。でも、今娘と旅しているんで後にしてもらっていいですか?」
封印指定の35歳による、世界を敵に回した父娘二人旅が始まる。