あらすじ
【あらすじ】
もし、信長の孫であり、信康の遺児である「天才」が生きていたら――?
慶長五年、関ヶ原。
濃霧の戦場で、徳川家康はある決断を下した。
遅参した嫡男・秀忠を「光」の将軍とするために、あまりに才気溢れる孫・**松平秀親(まつだいらひでちか)**を「影」とすることを。
「秀親よ。そちは京の伏見に入り、西国の蓋(ふた)となれ」
それは、将軍に次ぐ権威を持ちながら、決して表舞台には出ない**《伏見松平家》**誕生の瞬間だった。
魔王・織田信長の冷徹さと、神君・徳川家康の忍耐。
二つの血を引く秀親は、同い年の叔父・秀忠を愛し、彼を守るための「修羅」となることを誓う。
大坂の陣での豊臣滅亡。
宇都宮釣天井事件の謀略。
そして、実弟・忠長の処断と島原の乱――。
徳川三百年の泰平(パックス・トクガワ)。
その礎には、泥を啜り、汚名を被り、それでも愛する兄と徳川の世を守り抜いた、一人の男の孤独な戦いがあった。
家康、秀忠、家光。三代の将軍に仕え、戦国最後の火種を消し去った「影の将軍」の、知られざる一代記。