あらすじ
「この異臭! 貴様、鍋で毒薬を煮込んでいるな!?」
「いいえ殿下、これは『豚骨スープ』の下処理です」
味覚音痴な国で、前世の記憶を持つ公爵令嬢エレナが煮込んでいたのは、極上のラーメンスープだった。
しかし、その強烈な豚骨臭を「魔女の毒」と勘違いされ、彼女は婚約破棄の末に国外追放されてしまう。
「あんな味音痴な国、こちらから願い下げです!」
開き直ったエレナは、愛用の寸胴鍋を担いで実力至上主義の隣国・ガルディア帝国へ。
そこは、残業と激務に追われる人々が「食の楽しみ」を忘れた国だった。
路地裏に屋台『極楽亭』を開いたエレナが放つ、暴力的なまでに食欲をそそる香り。
それに釣られてやってきたのは、不眠症で死にそうな顔をした「鉄の宰相」クラウスだった。
「……なんだこの、脳髄を揺さぶる旨味は」
深夜のラーメン、熱々の餃子、パラパラのチャーハン。
エレナの振る舞う「飯テロ」料理は、冷徹な宰相の心と胃袋をガッツリ掴んで離さない!
やがてその評判は騎士団長や皇帝陛下までをも巻き込み、エレナは帝国の「食賓」として溺愛され始める。
一方、エレナを追い出した祖国では、彼女の作る「薬膳スープ(ただのラーメンスープ)」が飲めなくなったことで、王族たちがバタバタと倒れ始めていて……?
これは、ラーメン屋台を引く元悪役令嬢が、深夜の飯テロで帝国を征服し、幸せな結婚を手に入れるまでの、美味しくて温かい逆転劇。