あらすじ
街は一つのはずだった。
ただ、干渉ゴーグルを通して見ると、同じ場所に別の街が重なっている。
それは「多層並行都市」。
異なる歴史を辿った確率世界の都市が、同じ地理座標上に存在する世界だ。
社会人の確田率は、偶然と適性の結果として、その境界に立ってしまう。
スマホに届く謎のメール、軽い調子の次元捜査官、
そして――「起きなかった事件」へ逃げた殺人犯。
なぜ犯人は追われるのか。
なぜ追跡は成立してしまうのか。
そして、なぜ自分がこの場にいるのか。
派手な戦闘も、明確な正義もない。
あるのは、微妙に噛み合わない街並みと、
理解しきれないまま進行していく追跡だけ。
これは、
確率世界の狭間で「見てしまった側」の人間が、
静かに巻き込まれていく物語。