あらすじ
春になると、
なぜか胸の奥がざわつく。
団地で暮らす、どこにでもある家族。
働く母、家にいない父、年の離れた姉と弟。
決して裕福ではないけれど、
それなりに日常は続いていくはずだった。
けれど、
ある出来事をきっかけに、
家族の中に「言葉にされないもの」が増えていく。
疑いなのか。
後悔なのか。
それとも、誰にも言えない感情なのか。
誰かが悪いと断じることはできない。
けれど、何もなかったとは言えない。
これは、
一つの家族が迎えた「春」の話。
静かで、取り返しがつかなくて、
それでも確かに存在した、
もう一つの春の記録。