あらすじ
「ねえ、もっと私を壊して。私の中に、佐倉さんの色以外、何も残らないくらいに」
大学の演劇サークルで脚本を書く佐倉梨沙は、周囲から「聖女」と崇められる看板女優・瀬戸詩織の完璧すぎる笑顔に、言いようのない嫌悪感を抱いていた。
ある日、梨沙は詩織の「完璧な仮面」が剥がれ落ちる瞬間を目撃する。
それを機に、二人の関係は「脚本家と女優」から、もっと暗く、歪なものへと変質していく。
詩織の正義を剥ぎ取り、毒を注ぎ込み、解体していく梨沙。
けれど、梨沙は気づいていなかった。
支配しているつもりの自分こそが、詩織という底なしの虚無に、呼吸の仕方さえ忘れさせられるほど依存し始めていることに――。
これは、美しき「聖女」を壊そうとした脚本家が、逆に彼女の檻に閉じ込められていく、共依存と執着の物語。