あらすじ
「感動? 情緒? ……そんなものは『タイムロス』だ」
度重なる地球人の無断召喚にブチギレた「地球の神様」は、報復として一人の刺客を異世界へ送り込む。
選ばれたのは、勇者でも聖女でもない。ゲームのバグを突き、最速クリアだけを求める狂気のゲーマー――「RTA(リアルタイムアタック)走者」のカケルだった。
送り込まれた先は、ナルシストな神・ナルシウスが支配する、無駄にストーリーが長くて面倒くさい世界。
カケルは「壁抜け」「会話スキップ」「メモリ破壊」などのあらゆるバグ技(裏技)を駆使し、神が用意した感動シナリオを次々と台無しにしていく。
イベントを全カットされたことでカケルに「情熱的に愛されている」と勘違いした聖女セセリア。
バグで無理やりテイムされ、忠犬となった魔狼ポチ。
最強の効率厨パーティは、魔王城どころか「世界の理(システム)」そのものを破壊し、デバッグルームへと到達する。
これは、神様のメンタルをへし折り、最短記録で異世界を駆け抜けた男が、
バグ(愛するヒロインと犬)をお持ち帰りして、現実という名の「クソゲー」を歩き出すまでの物語。
【主な登場人物】
* 相馬 駆(カケル)
本作の主人公。三度の飯より「タイム短縮」が好きなRTA走者。
「壁は抜けるもの」「会話は飛ばすもの」という思考で行動し、異世界を物理演算レベルで破壊する。二つ名は『裏技師(トリックスター)』。
* セセリア
本作のヒロイン。「悲劇の聖女」となるはずが、カケルの壁抜けにより3秒で救出された。
カケルの奇行(効率化)をすべて「私への愛」とポジティブに勘違いし、幸せに振り回されるチョロ可愛い女性。
* ポチ(元・終焉のフェンリル)
ラスボス級の魔獣だったが、アイテム増殖バグの巻き添えでテイムされた。
カケルの高速移動についていける唯一の移動手段(乗り物)。地球ではゴールデンレトリバーとして生きる。
* 神ナルシウス
異世界の管理神。「完璧なストーリー」に拘るあまり、カケルにことごとくフラグを折られ、最終的にデバッグルームでTポーズのまま封印された。