あらすじ

答えを出さないまま、展示は続いていく。 二〇五〇年。 大阪湾の地下一〇〇〇メートルに、一般には存在しないはずの施設があった。 通称――「地下万博」。 そこに招待されたのは、年齢も背景も異なる数人の若者たち。 案内役はAI。 目的は不明。 制限時間は七日間。 中学生の少年・咲良要は、父とともにこの奇妙な空間へ足を踏み入れる。 だが、地下万博に並んでいたのは、最先端技術や完成された未来像ではなかった。 展示されているのは、人間。 そして、人と人が関わることで生まれる「まだ名前のない何か」だった。 「正解は用意されていません」 「完成させる必要もありません」 そう告げられた万博で、要は論理、直感、俯瞰という異なる才を持つ少女たちと出会う。 彼らは協力し、時にすれ違いながら、地下での七日間を過ごしていく。 だが、この万博は何かを“達成”するための場所ではない。 誰かが答えを出すことで、世界が救われるわけでもない。 求められるのは、選択。 そして時には、選ばないという決断だった。 地下万博は、未来を展示する場所ではない。 問いを、そのまま持ち帰るための場所だ。 これは、未完成のまま終わらない展示の記録。 そして、地下で始まり、地上へと続いていく物語。 ――答えを持ち帰らなかった僕たちは、 それでも確かに、そこにいた。

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小説を読もう2025/12/26
  • 現在の作品未完成のまま、展示中 ― 僕たちは地下万博にいた ―