あらすじ

霊能力者・間宮響子は、「夜になると誰もいない病棟で回診が行われている」という不可解な噂を調査するため、地方都市の総合病院を訪れる。問題の七階東病棟はすでに閉鎖されているはずの場所だったが、夜になるとナースコールが鳴り、看護師の足音が聞こえるという。 病棟に足を踏み入れた響子は、そこが単なる廃棄空間ではなく、“終わらなかった夜”が取り残された異界であることを察する。やがて彼女は、影を持たない看護師の霊と遭遇する。その看護師は、生と死の狭間に置き去りにされた患者たちを「まだ生きている」と信じ、永遠に回診を続けていた。 調査の中で、かつてその病棟が終末医療専門として機能し、夜のうちに患者の生を静かに終わらせ、死を朝まで偽装してきた過去が明らかになる。看護師の霊は、その罪と責任から逃れられず、自らを含めた“取り残された者”を看取り続ける存在となっていたのだ。 響子は病棟の封鎖を進言し、事件は収束したかに見えた。しかし病院を去る直前、彼女はエレベーターの鏡に、自分の背後で回診表に名前を書き込む看護師の姿を見る。次の回診対象が自分自身であることを悟った響子は、この病院の夜勤が終わらない呪いに巻き込まれつつあることを知る。 回診は今も続いている。 生者と死者の境界が曖昧なまま、次に名を呼ばれる者が現れるまで――。

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小説を読もう2025/12/26
  • 現在の作品夜勤病棟-間宮響子-