あらすじ
太陽が沈まない『白夜帝国ヘリオス』。そこは、人々が覚醒ポーションを飲み、24時間働き続けることが美徳とされる超・過労社会だった。
社畜として過労死し、この国に転生したカイトは絶望する。また働けというのか。 しかも、判定された魔力は、帝国で忌み嫌われる『闇属性』。 「作物を育てる光も出せない役立たずめ。不毛の影の谷へ消え失せろ!」 カイトは追放されるが、心の中でガッツポーズをした。
(やった……! これでやっと、暗闇の中で眠れる……!!)
カイトは知っていた。この世界で「闇」だけが、「遮光」「防音」「適温」という最強の安眠環境を作れることを。 彼は外れスキル【黄昏の庭師】を駆使し、辺境の谷で「夜」そのものを耕し始める。 実体化した影でベッドを作り、星空を投影し、安眠効果のある月光草を育てる――。
「あぁ、よく寝た……」
ただ静かに暮らしたいカイトだったが、その「極上の闇」を放っておくほど、世界は余裕ではなかった。 不眠症の聖女も、過労の女将軍も、カイトの農園で一度「爆睡」を経験すると、もう二度と帝国には戻れなくなり――。
「金なら払う! 頼むから、その『夜』を私にも分けてくれ!」
これは、眠りを愛する男が、星空を育てて人々を癒やす、安眠スローライフ。