あらすじ

山深き村、藁屋根の下。病の床に伏せし娘おしのと、母おまさの静かなる日々。 雨夜、骨の折れた傘をさした名もなき旅人が現る。鶴のごとき所作、夜の山より澄める瞳。 白鷺の羽根を残し、風のごとく消える──。 「白鷺は、人の心のやわらかいところを見抜くという」 雪の夜、春の梅雨、旅人は音もなく訪れ、和歌を詠む。 娘の魂を、蓮の咲く極楽へと導くとき、母は何を想うか。 『白鷺と 風の音まじり 夢さそふ 空を見上げて 山霧しずむ』 『うたかたの 人の世にぞ 夢うつつ 白鷺飛んで 蓮が咲く哉』 儚き命、母の涙、風の精が紡ぐ幻想譚。 江戸の読本風に、死と再生を静かに描く一篇。 白い羽根が舞うとき、あなたの心も蓮の国へ誘われるやもしれぬ。 【全二帖・完結】

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エブリスタ
エブリスタ2025/12/25
  • 現在の作品白鷺と風渡る夜