あらすじ
立花勇気は、自他共に認める重度のブラコンだ。
兄・元樹は容姿端麗、頭脳明晰の完璧超人。
それなのに、前生徒会長・赤地蒼介という圧倒的な存在の陰に隠れ、正当に評価されてこなかったことが、勇気にはどうしても納得できなかった。
そんな中、赤地蒼介の引退と同時に、
「きみなら僕の後を任せられる」
という言葉とともに、兄は突然、生徒会長に任命されてしまう。
しかもその兄の傍らには、副会長・篠宮澪の姿があった。
二人は恋人同士ではないか──そんな噂まで立っており、勇気の不満は募る一方だった。
篠宮澪は、中性的な名前とは裏腹に、剣道部所属のがっしりとした爽やかスポーツマン。
無愛想で感情が読めず、何を考えているのか分からない澪を、勇気はどうしても苦手としていた。
そんな中、幼稚園から続く一貫校・桐楠大学附属高校の二年生となり、
「白百合の姫」と陰で呼ばれる美貌の持ち主・秋月葵と同じクラスになる。
秋月と親しくなったことをきっかけに、
勇気は次々と厄介な事件に巻き込まれていく。
そのたびに現れ、無言で手を差し伸べてくるのは──澪だった。
苦手だったはずの相手。
兄の隣にいることが許せなかった男。
なのに、気づけば勇気の視線は、
兄ではなく篠宮澪を追い始めていて──。