あらすじ
魔法によって病も心も「治せる」世界。
そのはずだった。
辺境の治療区で目覚めた僕は、記憶を失った転生者。
そこで見たのは、
治療が効くほど、人が壊れていく現実だった。
怒りを消され、正しさだけを残された者。
苦しみを奪われ、何も選べなくなった者。
僕ができたのは、魔法でも奇跡でもない。
ただ、滞ったものに「通り道」を作ること。
だがそれは、
世界にとって“あってはならない行為”だった。
治せない者は、修正される。
修正できない者は、排除される。
それでも僕は、触れることをやめなかった。
これは、
世界を治そうとしなかった治療者が、
世界そのものに敵とされる物語。