あらすじ

上原汀子は、脳性麻痺による足の障害を抱える23歳。 両足に装具をつけ、杖を頼りに日常を生きている。 世間の「障害者」に向けられる無遠慮な視線に心をすり減らしながらも、 汀子には唯一の支えがあった。 ロックバンド〈ユニバース〉のドラマー・タイジ。 ライブハウスに通い、音楽に身を委ねる時間だけが、汀子を前に進ませてくれる。 趣味で小説を書く汀子は、次回作のテーマに「恋愛小説」を選ぶ。 しかし、自分は恋愛未経験だという現実に立ちすくんでしまう。 そんな彼女に、バンド仲間の友人・キラちゃんが言った。 「マッチングアプリ、やってみたら?」 軽い気持ちで始めたアプリで、汀子は〈T〉という男性と出会う。 メッセージを重ね、距離が縮まっていく中で、 汀子はやがて知ってしまう―― 〈T〉の正体が、自分の“推し”であるタイジだということを。 秘密の関係、曖昧な優しさ、踏みにじられていく尊厳。 それでも汀子は、「この関係を失いたくない」と願ってしまう。 障害がある身体で、恋をすること。 愛されたいと望むこと。 欲望を抱くこと。 そのすべては、間違いなのか。 これは、杖をつきながら恋をしたひとりの女性が、 自分の声で、自分の人生を取り戻していく物語。

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小説を読もう2025/12/25