あらすじ

血のような赤? いいえ、晴天の空のような澄んだ青色かしら。  私にはわからない、一体赤色と青色の間にどのような違いがあるのか。いいえ、それはきっと重要な事ではないのでしょうね。だってこの世界では色なんて何の意味も持たない。 ――ほら、空から青が零れ落ちるよアリス  錆色の空がギラギラと輝きを放つ。零れた青は地に降り注いで全てを染めていく。 ――まあ大変、薔薇を赤く塗らなきゃ  ここが私の世界、私の居場所。足元を濡らす青に右手の人差し指を浸す。ドロリと滴るそれを自身の唇にそっと押し当てた。  白いうなじに金の髪  幼いアリスは不敵に笑ふ  空の青に指を浸し  桜色の唇に塗りたくる  ああ、それとも血の赤かしら?  どうだっていいわ  ほら、私はとっても綺麗  景色がだんだんと歪んで見える。空色に塗った唇がニヤリと意地悪くめくれ上がった。 「時間だよアリス」  自身の口から出てきたのは聞き覚えの無い男の声。  ああ、意識が……遠のいて…… そして私は目を覚ました。

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カクヨム
カクヨム2021/02/21
  • 現在の作品血塗れのアリス