あらすじ
血のような赤? いいえ、晴天の空のような澄んだ青色かしら。
私にはわからない、一体赤色と青色の間にどのような違いがあるのか。いいえ、それはきっと重要な事ではないのでしょうね。だってこの世界では色なんて何の意味も持たない。
――ほら、空から青が零れ落ちるよアリス
錆色の空がギラギラと輝きを放つ。零れた青は地に降り注いで全てを染めていく。
――まあ大変、薔薇を赤く塗らなきゃ
ここが私の世界、私の居場所。足元を濡らす青に右手の人差し指を浸す。ドロリと滴るそれを自身の唇にそっと押し当てた。
白いうなじに金の髪
幼いアリスは不敵に笑ふ
空の青に指を浸し
桜色の唇に塗りたくる
ああ、それとも血の赤かしら?
どうだっていいわ
ほら、私はとっても綺麗
景色がだんだんと歪んで見える。空色に塗った唇がニヤリと意地悪くめくれ上がった。
「時間だよアリス」
自身の口から出てきたのは聞き覚えの無い男の声。
ああ、意識が……遠のいて……
そして私は目を覚ました。