あらすじ
超能力なんて存在しない現代日本。
結城湊には、誰にも言えない秘密があった。それは、指を鳴らすと対象を数センチだけ【つまずかせる】ことができるという、あまりに地味な能力。
「こんな力、何の役にも立たない」
そう自嘲しながら、湊は学園の「背景」としてひっそり生きてきた。
あの日、全校生徒の前で壇上から転落しそうになった、学園の象徴――九条院麗華を救うまでは。
絶望的な転倒を、一瞬の「つまずき」で華麗な着地へと書き換えた湊。
誰にも気づかれないはずだったその介入は、しかし、鋭すぎる感性を持つ美少女たちの目を欺くことはできなかった。
「……あなたの指先、物理法則を無視したわね?」
正体を見抜こうとつきまとう、銀髪の天才・白石凪。
自分の不完全さを証明した湊を、力ずくで監視下に置こうとする令嬢・九条院麗華。
さらには幼馴染や、選手生命を救われた陸上部のエースまでが湊を囲み始める。
ただの嫌がらせだと思っていた「つまずかせ」は、実は重心とベクトルを支配する神の指先だった。
これは、自分の力をゴミだと信じていた少年が、無自覚に世界を、そして恋をつまずかせていく人生逆転ラブコメディ。