あらすじ

霊能力者・間宮響子は、深夜二時過ぎ、自分の名前を正確に呼ぶ正体不明の存在から電話を受ける。「私は私を見ている」――その不可解な言葉に導かれ、響子は古いマンションの一室を訪れる。そこには、まったく同じ姿をした二人の女が存在していた。片方は怯え、片方は静かに観察するように立っている。  それは憑依でも分身でもなく、人間を“上書き”して成り代わろうとする存在だった。悪意も怒りも持たず、ただ生き延びるために人間の輪郭を奪う“それ”は、やがて本物を消し去り、完全な人間として社会へ溶け込んでいく。  事件は解決したかに見えた。しかし数日後、響子のもとに再び電話がかかる。人間になれたと感謝を告げる声は、次の対象が誰なのかを示唆していた。鏡の中で、わずかに遅れて動く自分自身を見つめながら、響子は悟る――恐怖は終わらない。誰もが、知らぬ間に“見られる側”へと移行していくのだと。

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カクヨム
カクヨム2025/12/25
  • 現在の作品呼ばれる名前-間宮響子-