あらすじ

第一次大戦の頃から、それまで偵察や索敵などの補助的な役割しか担っていなかった航空機が、次第に大型化するにつれて、速度や爆弾などの搭載量が増し、強力な攻撃力を有するようになった訳だが、いかんせん航空機は空中に留まることができないから、広大な滑走路を必ず必要とした。従って、国内外の各地に数多くの飛行場を設置する必要があった。  しかし、そうするには飛行場に適した用地を探して建設するにしてもそれを維持するにしても当然のこととして、莫大な費用を要することから自ずから設置する数に限度というものがあったのだ。  そこで求められるようになったのが、多くの車輪付きの軍用機を搭載し、甲板から必要に応じて必要な時に必要な所に飛ばして、任務を終えたらそれらを即座に収容することが可能な軍艦だったという訳である。又これこそが航空母艦というものの発想の原点だったのである。  しかしこれを実際に運用させるには、解決しなければならない重大な問題があった。それは、艦橋や煙突や大砲、機関砲などがぎっしり置かれている軍艦の狭い甲板からどのようにして軍用機を発艦させたり着艦させたり収容させたりするかということであった。  この問題は、どの国の技術者たちをも大いに悩ませたという。例えば、戦艦の後部甲板に着艦用のスペースを設けてみたり、砲塔の上に発射台を設置してみたりするなど様々な工夫を試みたが、一向にらちが明かなかったようだ。  結局、甲板上にある艦橋以外のものを全て取っ払うという案に落ち着いたというが、その結果、攻撃力において脆弱極まりない、見た目にものっぺりとしたおよそ軍艦らしからぬものとなってしまったのだ。  次の問題は、勢いよく降りてきた軍用機をどうやって制動するかであった。  軍用機のフックに引っ掛けるワイヤーを縦に張るか、横に張るか、その際の空母の速度はどのくらいがよいのか、そして、軍用機の降下速度とその角度はどれくらいがよいのか等々、研究すべきことが山ほどあったのである。

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