あらすじ

セラフィナは、病に倒れ余命わずかな十六歳の娘エルを救うため、禁断の時間遡行魔法を発動する。しかし魔法は不完全に発動し、過去の赤ん坊のエルが現れる一方で、現在の十六歳の娘も残された。世界に「二人のエル」が存在する現象に直面したセラフィナは、二十年後にどちらか一人が消えるという代償を知りながらも、二人を共に育てる決意をする。  最初のエルは母の過保護に育てられ、母を心配させまいと自分を抑えて生きてきた。一方、再び育てられる赤ん坊のエルは、母の後悔と学びを受け、自由で自立した少女に育っていく。「妹」として彼女の成長を見守る一人目のエルは、次第に母の愛に潜む恐怖と、自らが犠牲となった過去の意味を悟る。母娘の間には痛みと和解が交錯し、やがて妹は魔法学院へ進み、自分の夢を追い始める。  迎えた二十年目の夜、二人のエルは「どちらかが消える」運命に向き合う。互いに相手を残そうと願う中、セラフィナは母としての決断を下す。自由に生きる妹を残し、姉を見送る選択だった。姉エルは、母への感謝と妹への願いを残し、静かに光となって消えていく。  数年後、妹となった「エル」は冒険者として成長し、母の日記と姉の記録を手に取る。二度育てられ、二度愛された日々を胸に刻み、今度は自らが誰かを導く番だと悟る。母の愛と姉の生きた証は、彼女の中で確かに受け継がれていた。

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エブリスタ
エブリスタ2025/12/23
  • 現在の作品二度目の子守唄