あらすじ
浪浪(なみなみ)ならぬ前口上。
「東西、東西(とうざい、とうざい)!」
お集まりの皆々様、まずは語らせていただきまするは、一人の冴えぬ青年の物語。
生まれは田舎の剣の達人、名は御剣宗次。
惚れた女子(おなご)に意を決して想いを告ぐれば、「剣道着が臭い」「今どき剣術など流行らぬ」と無情の拒絶。挙句の果てには金持ち商人と添い遂げると、袖を振られて京の都へ。
「どうせモテぬが人の世ならば、いっそ興そう尊王攘夷!」
ヤケに狂うて足を踏み入れたるは、戦(いくさ)の足音が聞こえる京の路地裏。
口入屋の用心棒として、世に棲む日々。
理想に燃える智将・吉田稔麿と義を結び、
里の命に心を痛める儚きくノ一・桔梗をば、この腕(かいな)に抱き寄せ守ると誓う。
立ち塞がるは新選組随一の天才剣士、沖田総司!
池田屋の死闘を切り抜け、血煙のなかを突き進む!
されど、真(まこと)の「龍」は別にあり。
歴史の裏で国を売る、悪鬼の如き坂本龍馬を討つべく、
雪降る近江屋、焔(ほのお)のなかで、必殺「屠龍之技(とりゅうのぎ)」が今、冴え渡る!
モテぬ男の意地と覚悟。
時代の歪みを一刀両断にいたす、痛快幕末ラノベ活劇。
「隅から隅まで、ずずずいーっと、希(ねが)い上げ奉(たてまつ)りまする!」