あらすじ
「真実は劇薬だ。だから俺は、優しい嘘で現実を書き換える。」
眠らない街・新宿の片隅。
古い雑居ビルの一室にある、個人事務所。
そこで仕事をする久住 瑛一(くずみ えいいち)は、かつて大手新聞社の社会部エース記者だったが、ある事件をきっかけに転落。今の肩書きは、ネットの掃き溜めで怪談を捏造する、しがないオカルトライターとして日々を消化している。
相棒はPCモニターの中に住むAIの『アイ』。
当初は効率至上のシステムだったが、久住と歩む中で、論理では測れない「感情」や「優しい嘘」という不条理な変数を知り、日々学習中。ネットの海から真実を暴き出す、彼の冷静な共犯者(パートナー)である。
知らぬ間に届く荷物、誰もいない部屋から配信される悲鳴、持ち主の死後も更新されるSNS……。
巷で「心霊現象」と囁かれる事件の正体は、幽霊の仕業などではない。
それは、現代社会の歪みが生んだ『デジタルの現実』だ。
しかし、久住は暴かれた真実を決して記事にはしない。
「真実は時として、人を殺す凶器になる」
そう信じる彼は、被害者や遺族の心を守るため、残酷な真実を隠蔽し、事件を「ありふれた心霊現象」という『記事(嘘)』へと書き換える。
そして、誰の目にも触れることのなかった真実だけを、『未稿箱(みこうばこ)』という名のフォルダへと密かに封印していく――。
これは、0と1の狭間で、不器用なライターとAIが織りなす、現代の闇を『優しい嘘』で塗り替えていく、異色のサイバー・ノワール。
※現在13話まで執筆済みとなります。以降はキリがいい話数まで執筆次第公開していきます。
2話 12月27日(土)18時予定
3話 12月30日(火)18時予定
4話 1月2日(金)18時予定