あらすじ

総合病院のリハビリテーション科で働く理学療法士・橘叶多。 彼は日々、患者の身体と向き合いながら、「判断」という仕事を続けている。 動かすべきか、止めるべきか。 進めるべきか、待つべきか。 数値や評価、制度や効率が先行する現場で、 その判断はしばしば説明や結果によって歪められていく。 明確な事件は起きない。 悪人も、陰謀も存在しない。 それでも、現場では静かに「選別」が始まり、 判断は誰のものなのか分からなくなっていく。 判断を引き受ける者が疲弊し、 判断しない者が安全になる構造の中で、 叶多は問い続ける。 ――判断は、誰のものか。 ――そして、誰がそれに寄り添うのか。 これは、医療現場を舞台に、 正しさよりも「順序」を、 結論よりも「責任の置き場」を描いた、 静かな緊張の現代ドラマである。 医療現場で起きる問題の多くは、 「誰かが間違えた」からではなく、 「判断の置き場がずれた」ことから始まります。 この物語は、 誰かを裁くためではなく、 判断に寄り添うとはどういうことかを描くために書きました。

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カクヨム2025/12/24
  • 現在の作品判断の置き場―ある理学療法士の現場から―