あらすじ
王都を離れ、辺境の村で診療所を開いた元宮廷医・レオン。
彼は、畑仕事の怪我や子どもの熱を診ながら、静かな日々を送っている。
だがこの診療所を訪れるのは、
なぜか皆、人生の分岐点に立たされた者ばかりだった。
剣を振れなくなった者。
戦場を去った者。
英雄であることを終えた者。
彼らは、レオンに「治してほしい」とは言わない。
「戻れるか」を確かめに来る。
レオンは、治療の説明は省かない。
だが、戦場へ戻す判断は引き受けない。
それでも人々は知っている。
この医師は嘘をつかないことを。
そして――
彼が「ここまでだ」と告げた英雄は、
二度と壊れないことを。
これは、
誰かを戦わせる物語ではない。
誰かが生き方を選び直す物語。
辺境の診療所で、
今日もレオンは、
人を「役割」から解放していく。