あらすじ
公爵令嬢にして聖女――
そう呼ばれていたステラ・ダンクルは、
「聖女の資格に欠ける」という曖昧な理由で婚約破棄、そして追放される。
さらに何者かに階段から突き落とされ、意識を失ったその瞬間――
彼女は思い出してしまった。
前世が、
こてこての浪速のおばちゃんだったことを。
「ステラ?
うちが?
えらいハイカラな名前やな!
クッキーは売っとらんへんで?」
目を覚ました公爵令嬢の中身は、
ずけずけ物言い、歯に衣着せぬマシンガントーク、
懐から飴ちゃんが無限に出てくる“やかましいおばちゃん”。
静かなざまぁ?
上品な復讐?
――そんなもん、性に合いません。
正義を振りかざす教会、
数字と規定で人を裁く偽聖女、
声の大きい「正しさ」に潰される現場。
ステラが選んだのは、
聖女に戻ることでも、正義を叫ぶことでもなく――
腹が減った人に、飯を出すこと。
粉もん焼いて、
飴ちゃん配って、
やかましく笑って。
正義が壊れ、
人がつながり、
気づけば「聖女」も「正義」も要らなくなっていた。
これは、
静かなざまぁができない浪速のおばちゃんが、
正義を粉もんにして焼き上げる物語。
最後に残るのは、
奇跡でも裁きでもなく――
「ほな、食べていき」の一言だけ。